傾向のある時系列に ARIMA モデルを当てはめる手順を、差分・単位根・次数の決め方の順に説明せよ、って問題
【疑問】ARIMA の「差分をとる」って何のため?単位根検定の臨界値が −1.645 じゃないのはなんで【統計検定1級】
前提のおさらいを2つ
AR(1) は で定常、 ならランダムウォークで定常でない
AIC は 最大対数尤度 パラメータ数。小さいほうを選ぶ
>>1
差分 。 回差分した系列が ARMA() になるとき、もとの系列を ARIMA() と呼ぶ
ランダムウォークは差分をとるとホワイトノイズで、ARIMA(0, 1, 0)
差分が要るかどうかを調べるのが単位根検定。ディッキー・フラー検定は
を回帰して、(単位根あり)を に対して検定する
統計量は を標準誤差で割ったもの。ふつうの t 値と同じ形
>>4
同じ形なら、片側5%で −1.645 と比べればええやん
>>5
のもとでは がランダムウォークで定常やないから、中心極限定理の前提が崩れて正規分布にならない
長さ100のランダムウォークで2万回作ると、統計量の下側5%点は約 。−1.645 で判定すると、単位根があるのに約45%で棄却してしまう
>>6
実際に1本ずつやると、ランダムウォークで統計量 (棄却しない)、 の AR(1) で (棄却する)。−1.645 を使ってたら、ランダムウォークも定常と判定してた
>>3
とりあえず差分をとっておけば安全やろ。とりすぎて困ることある?
>>8
困る。ホワイトノイズの差分 は の MA(1) で、ラグ1の自己相関が になる(作ってみると )
は反転可能の境目で、推定も予測も不安定になる。差分のあとラグ1が −0.5 近くなら、とりすぎを疑う
次数の決め方。 の ARIMA(1, 1, 0) を長さ200で作って、差分に AR() を当てはめると
差分の自己相関は と減っていく(ARの形)
AIC は で 。最小は で、
>>10
なら AIC 最小を選んだら終わりでええな
>>11
終わりではない。選んだモデルの残差の自己相関がホワイトノイズに近いかを確かめる
それと、差分の回数 が違うモデルどうしは、当てはめてるデータそのものが違うから AIC で比べられない。 は単位根検定や自己相関の減り方で先に決める
差分で定常にして ARMA を当てはめる、単位根検定の臨界値は正規分布より左(約 −2.9)、差分のとりすぎは −0.5 で気づく、 を決めてから AIC で 。これで説明できるな
管理人のひとこと
- ARIMA(): 回差分した系列が ARMA()。ランダムウォークは ARIMA(0,1,0)。
- ディッキー・フラー検定: で 。統計量はt分布にならず、5%点は約 (長さ100)。−1.645を使うと単位根があっても約45%で棄却する。
- 差分のとりすぎはラグ1の自己相関が約 −0.5 になる。 を決めてから AIC で次数を選び(例: で )、残差も確かめる。